DIEP ワークショップ

DIEPのワークショップでは以下の構成で行われます。

第一回:「低密度街区 / 高密度街区で風を最大限に利用する形」 ―風の道を考える―

2つの課題に対して、風が来る方向の断面形状のみ考え→自由な形を出し→モデリングしシミュレーションで風が通るか検証するという作業を行います。

第二回:「南の太陽を最大限に利用する形 / 西日を最大限に利用する形」 ―日射取得、遮蔽を考える―

2つの課題に対して、南の太陽に対しては南北方向の断面形状のみ、西日には平面形状のみを考え→自由な形を出し→モデリングし季節ごとの取得遮蔽を検証するという作業を行います。

第三回:「低密度街区 / 高密度街区で自然光を取り入れる形」 ―光の入り方を考える―

2つの課題に対して、南北方向の断面形状のみを考え→自由な形を出し→モデリングし明るさを検証するという作業を行います。

第四回:「長屋型敷地でのボリューム配置 / 旗竿敷地でのボリューム配置」 ―日当たりを考える―

2つの課題に対して、1階2階の平面形状のみを考え→自由な形を出し→モデリングし日当たりを検証するという作業を行います。

以上の作業を行いそれをカタログ化することによって、環境エンジニア意匠デザイナー双方のイマジネーションを刺激する本を作ろうと考えています。第一回のワークショップは既に行われ、2つの課題に対しそれぞれ30程度の形が出されました。順調にいけば、環境要素を考え抜いた200以上におよぶケーススタディのカタログが出来上がります。

出版に関しては現在交渉中ですが、良い形で出せれば嬉しいなと思っています。是非ご期待下さい!

DIEPとは

DIEPとはDesign Institute for Environmental Physicsの略であり、以下のような趣旨で開かれた研究会です。


「私達は現代の日本建築界において、環境エンジニアと建築家との間に明確な溝がある事を問題意識として持っています。環境エンジニアは専門性の高い環境工学界のなかで認められた事をしたり顔で建築家に提示し、一方建築家は世界最高レベルの制御性を持つ日本の空調機器に甘んじ、日本の四季がおりなす環境の変化について無意識の内に思考を停止している様に思います。

 現代において、この現象は恰も当然の様に認識されていますが、環境設備工学が発展する以前の建築界は決してそうではありませんでした。巨匠と言われるル・コルビジェルイス・カーン、そしてアントニオ・ガウディは環境と建築の関係について深く考察していました。しかし現在では環境エンジニアと建築家の双方が、「私達の科学は自然を征服した」と認識し、思考を停止している、つまり地球環境と建築に関する思考が停止しているのではないかと疑問を持つ様になりました。

 そこで私達は環境エンジニアと建築家の間に存在する溝を越えて、双方を繋ぐ事の出来るコミュニケーションツール造りを目指す研究会を始めます。作る過程でお互いの良い所に気付き、理解し合うきっかけとなるものを作りたいという事が、私達に共通する想いです。この研究会を通して新しい建築デザインを生み出す事が出来るのではないかと考えています。」

メンバーはこの考えに共鳴した東大・慶大の建築学生で構成されています。
研究会は隔週で開催されるワークショップと不定期に開催されるレクチャーで構成され、2011年3月までに集中的に行う予定です。

本日からこのブログで、ワークショップの活動報告、レクチャーの告知等をしていきたいと思います。