第4回レクチャーのお知らせ

3/31の13:00より、今年度のDIEP最終レクチャーを行います。

東京大学名誉教授の難波和彦先生をお招きして、設計課題の講評、学生とのディスカッションを行って頂きます。

詳細は次のとおりです。

第一部 DIEPメンバーによる住宅設計課題講評会
第二部 ディスカッション:「環境工学×建築デザインの未来」

場所:東京大学弥生キャンパス、弥生講堂アネックス
   エンゼル研究棟1F 講義室

時間:13:00〜15:30
参加費:無料

ぜひお越しください!

第四回ワークショップ2/19:「長屋型敷地でのボリューム配置 / 旗竿

第四回ワークショップは工学部1号館108号室にて行いました。

まずは川島くんから長屋型敷地と旗竿敷地ではどのように光が入るのかについてレクチャー。

どちらも周辺の建物に囲まれ、間口も狭いので光の取り入れ方には注意が必要です。


その後、二層分の平面図を描く形式で案出しをしました。
課題が難しく、今回はかなり苦戦しました。



まずは「長屋型敷地でのボリューム配置」


(21案)

7つに分類。


「旗竿敷地でのボリューム配置」


(23案)


こちらも7つに分類。



今回でワークショップは終わりです。
お疲れさまでした!

第三回レクチャー延期のお知らせ

3/18に予定されておりました、乾久美子先生と前真之先生によるレクチャーは、
東北関東大震災の影響により延期することになりました。

楽しみにされていた方は申し訳ありませんでした。
後日必ず開催するよていなので、その時にご期待下さい。

第2回レクチャーを開催しました。

更新が遅れてしまいましたが、去る2/18(金)13:00より、山上会館にて第2回レクチャーを開催しました。
今回のレクチャラーである中島直人先生と大野秀敏先生の略歴紹介、DIEP趣旨説明の後、
さっそくお二人にレクチャーを行っていただきました。

中島先生には「展開志向の環境技術論」と題して、各国の都市計画パタンのお話から日本の敷地における「都市・地域」の意義について、そして都市・地域に対する環境技術とは何かについてお話頂きました。

最初の都市計画は、産業革命以降の都市環境の悪化や都市拡張への対応として生まれました。
イギリスでは19cにモデル建築条例を制定するバイロウハウジングが始まり、その後20cになると条例でアルゴリズム的にできる都市へのアンチテーゼとしてハムステッドの都市計画などがおこりました。

続いてドイツ、アメリカの都市計画。



大方潤一郎氏は、世界の都市計画について
 ドイツ:事前確定的プラン
 アメリカ:ゾーニング型プラン
 イギリス:裁量的許可型プラン
と分類しました。

では日本の場合はどうでしょうか?
日本では、都市の建物が非事前確定的に決まります。
周囲に何が建つかわからない状況でのスタディサステナビリティとは何でしょうか。

新宿区の若葉地区の計画。
壁面後退と奥行き率を設定しました。
しかし共同建替えは合意形成が難しく、逆に個別建替えでは環境改善が難しい。
共同でも個別でもない環境コントロールとは?


越谷レイクタウンのパッシブデザイン建築協定。風を活かした都市計画です。
単体建築物に留まらず都市・地域スケールの環境技術とマネジメントの仕組みを構築すること。
つまりハードな技術+ソフトな技術の組み合わせが必要ですね。

白川村では水路を利用した融雪システムが取りれられています。
先端的な環境技術だけじゃなく、在来技術や伝統技術の維持再生やマネジメントも大事です。

共有地の管理を通じたマネジメント機構を取り入れているゆいまーる越谷。

結局、都市とは実体としては敷地周辺のこと。
街区としていかに環境性能を高めるのか、そこにも挑戦してほしいというお話でした。
そしてそれにはハードだけでなくソフトな技術も大事になってきます。

つづいて、大野先生。
「実践的緑色環境計画」と題して、大野先生が手がけた実作を紹介しつつ実践的な環境技術についてお話しいただきました。


柏キャンパス、環境棟。
S字(サステナブルのS!)型にすることで外皮の表面積が増え、通風や採光に有利になります。

庇とルーバーは日射遮蔽に。
庇があれば梅雨の時期に通風で過ごせる上に外壁も傷まないのですが、
建築家は意匠を重視するので庇が嫌いなんだそうです。

手前が環境棟。環境棟だけ引き違い戸なのがお分かり頂けるでしょうか?
他はflexか縦軸回転か滑り出しで、実際の通風には向きません。
これも意匠重視の弊害。

環境棟は廊下と室内が引き戸で通風できます。
防火区画から計画しないと通風はできません。
計画の段階から配慮が必要なんですね。

区画されたラウンジ。
なんとなく憩いの場を作る学生が結構いますが、きちんと閉まることでレクチャールームや作業場にもなり、利用度が高まります。

このように、先端的な環境技術だけでなく、一つの建築を人が使えるようにする小さな配慮の積み重ねが大事なのです。


次に宇宙連携機構棟。


らせんを描く構成で、中央のホールにはホワイトボードが至る所にあります。
どこでもdiscussionができるよう、ここの研究者たちを考えた構成。

ホールで使っている空調は大野先生自らデザインしました。
人がいる領域のみの空調でエコな上に、小型化させホール空間を邪魔しません。

研究個室は足元で換気します。
こうすることで書類が飛ばないので窓を開けられるようになります。

こちらでもどのような集団が使うのかに配慮した細かい所作が環境建築を機能させています。

最後に、コンパクトシティについてのお話も。

グリーン・ファイバー(モビリティ)では公共交通をコンパクト化の牽引役として使用します。
ネットワークとして使うバスの提案。


オレンジ・ファイバーでは日替わりの公共サービスやお寺のコンバージョン、地域のコミュニティダイニングなど。

コンパクトシティにおいては、コンパクト化の周縁部にできる限界集落(?)への配慮が大切なのです。


大野先生のレクチャー後、休憩を挟んで中島先生×大野先生の対談と質疑応答が行われました。

そこでは

建築学科と都市工学科の都市開発への姿勢の違いについて
 大学と社会というフィールドの違いなのではないか。
 都市工は現実に起きていることをクリティカルに捉える(中島)
 都市工ではルールを作って個々ではできない利益を考えるが、
 建築はそのことに拒否反応を示す(大野)

・DIEPでは都市計画から設定すべきではないか。
 不安定な周辺環境にも対応できるダイナミックなシステムを考える必要も

・環境的アプローチから都市美はできるか、という問いに対して
 都市美はアメニティ(身体的快適さ)や視覚性から得るものであって、
 エネルギー的なものからは感じない(中島)
 機能を追求すると美しさが得られるというのは間違いで、
 環境追求を正当化するためのアリバイのように用いてはいけない(大野)

・最近では個人行動のモニタリングなど、測定精度が上がってきたので、
 工学的データをもとに都市を作ることも志してもよいのではないか

・惰性と習慣はちがう。
 変えられるものと変えられないものがある(その制度の歴史的長さによる?)。
 普通の人の感覚と制度の反故があって、
 大学はそういう点を提示して普通の人々に気づいてもらうのが役割。
 個々の思考の怠慢の積み重ねが惰性。

・物理量と感覚は密接に関わっている。
 感覚を磨いて、ボキャブラリーを増やすべき。
 冬の気温で東京で快適な場所mapを作ってはどうか

などのお話が聞けました。

今回のレクチャーはDIEPの活動の方向性にも大きく関わりそうな色んな示唆がたくさんありました。
次回も楽しみですね。

特別レクチャーのお知らせ

3月7日(月)に前回と同様、東京大学本郷キャンパス内にある山上会館001会議室にて13:00より特別レクチャーを開催いたします。

内藤先生には「環境とデザイン」というテーマでお話頂きます。
12:45より開場ですので、皆様お誘い合わせの上是非おこしください。

第2回 レクチャーのお知らせ

2月18日(金)に前回と同様、東京大学本郷キャンパス内にある山上会館001会議室にて13:00より第2回レクチャーを開催いたします。

大野先生は「実践的緑色環境計画」
中島先生は「展開志向の環境技術論」
と題して、レクチャーをして頂き
その後、対談を予定しております。

12:45より開場ですので、皆様お誘い合わせの上是非おこしください。

第1回レクチャーを開催しました。

去る2/14(月)13:00より、山上会館にて第1回レクチャーを開催しました。
今回のレクチャラーである難波和彦先生と井庭崇先生の略歴紹介、DIEP趣旨説明の後、
さっそくお二人にレクチャーを行っていただきました。
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難波先生にはアレグザンダーの活動の展開とご自身の作品である「箱の家シリーズ」との関連についてお話頂きました。

日本におけるアレグザンダーの代表作、盈進学園東野高校。
自然言語を用いた「対話」によって作り出された建築であり、多様なパタンが盛り込まれています。

同じパタンを用いても、デザイナーによって全く違ったプランが出来上がります。ところが...

アレグザンダーと難波先生のプランは驚く程酷似したものに。この結果に直感的に「深入りは危険」と考えた難波先生はアレグザンダーと距離を置く事になりました。

続いて、難波先生の持論である「建築の4層構造」についての説明がありました。
計画論としてのパタンランゲージに技術論・環境論の視点を導入した、ある種の展開形といえる理論ではないでしょうか。

難波先生の作品「箱の家シリーズ」で使用されている6つのパタン。(注1)
アレグザンダー当人は「箱の家はパタンランゲージではない」と否定的な意見を述べたそうですが、プリミティブな建築材料を好むアレグザンダーとの技術の捉え方の違いであると難波先生はおっしゃっていました

2011年現在、これだけの数の箱の家が誕生しています。今後、箱の家シリーズがどのような展開をしていくのかにも注目が集まります。


続く井庭先生にはパタンランゲージの方法論としての可能性・応用について、主に学習パタンを例としてお話いただきました。


井庭研究室で作成した「学び方のパタンランゲージ」。
元々、先生がSFCのカリキュラム委員であったことから発想されたパタンだそうです。SFCのカリキュラムは科目選択の自由度が高く、一見とても良いシステムなのですが実際にはどの科目を選択して良いのか困る学生が少なくないそうです。
そこで、学び方のパタンランゲージを利用することで、科目選択の助けとなるよう計画が進んだとのことです。「ある種の制限がある方が、本当の意味で自由度が高い」
と逆説的に結論づけられる出来事ではないでしょうか。

学習パタン以外にも、これだけの新しいパタンの作成が行われてきています。

1つ1つのパタンは、特定の責任者によってまとめられ、定期的に他者からの評価を受け修正を行う、という作業を繰り返すことでブラッシュアップされたものです。

こうして出来上がったパタンランゲージは1種のコミュニケーションツールとしても捉えることができます。
パタンをきっかけとして問題に気づき、解決を図るということが可能となり、一般には経験則として認識されてきた事柄についての効果が高いように感じました。

学習パタン・ワークショップについてのご案内も頂きました。ご興味のある方は参加されてみては如何でしょうか。


休憩後、両先生の対談では、パタンランゲージを手がかりとしてDIEPの活動について語って頂きました。
具体的には
・環境のパタンは建築単体だけでなく周囲のコンテクストの影響が非常に大きいのでそこに留意するべき。
・できあがった環境パタンから新しい建築の姿を描くことを目標とするべき。
・時間の概念を導入する(長期的な視点で環境負荷軽減を考える、など)と面白いのではないか?
・パタンというある種の拘束があるからこそ、自由な発想ができる。
・パタンは制作者たちの経験から出発するものである。そこを隠蔽する必要は無い。個別から出発し、論理的に突き詰める事で普遍性を獲得するようにするべき。
といった具合に、1時間という限られた時間でしたが非常に密度の濃い内容となりました。

対談を通じて、環境パタンを作る意味が徐々に明確になってきました。
今後もレクチャーを通して、思考の整理を行っていきたいと思います。


注1:出典『パタン・ランゲージ』-環境設計の手引き 鹿島出版会